Free Standards GroupがLSB Developer Networkを立ち上げ

Free Standards Group(FSG)は本日、Microsoftで言うMicrosoft Developer Network(MSDN)に相当するものを発表することになっている。その名も、Linux Standard Base(LSB)Developer Networkだ。LSB Developer Network(LDN)は、コミュニティのコンテンツとオリジナル・コンテンツを1か所に集約して、便利に使えるようにするための場所だ。開発者はここで、汎用性のあるLinuxアプリケーションを作成するための情報を得ることができる。

このサイトは、FSGがO’Reilly Mediaと協力して立ち上げたもので、Linux Magazineの編集長であるMartin Streicher氏が、サイトの編集方針やカスタム・コンテンツの作成を指揮することになっている。

ISVに必要な情報を集約

Linux向けの開発についてのチュートリアル類が集約された情報リポジトリがないことは、Linuxの弱点の1つだった。Linux用のアプリケーションを初めて作成する開発者は、怖々と作業を進めることになるうえ、アプリケーションが使用する適切なライブラリが実装されているかどうかがまちまちな、複数のディストリビューションをターゲットにするという点についても心配しなくてはならない。

LSBは、開発者のターゲットとなる標準環境を各ディストリビューションに実装することを目的としたものだ。だが、開発者が必要とする情報を1か所でまとめて提供するという問題は、LSBでは解決されていなかった。

Free Standards GroupのCTOであるIan Murdock氏は、MSDNについて、Microsoft製品をできるだけ多くの開発者に知らしめるという点で実に巧みだと述べている。「もし私が開発者で、Microsoftプラットフォームをターゲットにしたいなら、MSDNを見ればよいということさえ知っていればいいのです」。そして、MSDNと同様のものをうまく稼動させることがLinuxコミュニティには必要だと語っている。

Murdock氏によると、LDNは、コミュニティからの貢献によって成り立つ「ボトムアップ」型のプロジェクトにする計画だという。MSDNのような、単一の企業がコンテンツ全体を統制するトップダウン型ではない。これは、オープンソースの開発手法を踏まえているだけでなく、このプロジェクトで使用できるリソースの実情も反映している。Murdock氏はこう語る。「FSGはこのプロジェクトに資金を投入しています。でも、我々はMicrosoftではありません。100人のライターを雇ってドキュメンテーションを書かせるようなことは不可能なのです」。

Murdock氏によると、このプロジェクトは、新しいドキュメンテーションの執筆に資金を投入するという。だが、開発者が必要とする多数の情報は既にネット上で入手できる、とも述べていた。単一の情報源で簡単にアクセスできないというだけだ。LDNの登場までは、LinuxにとってMSDNに最も近かったのはGoogle.comだとMurdock氏は言う。

LDNの内容

LDNのサイトには、カテゴリごととタグごとに分類されたコンテンツのディレクトリ、LSBに準拠したアプリケーションの開発とテストを行うISV向けのソフトウェア開発キット(SDK)、LSBに準拠した開発のFAQ、Linuxでの開発に関するその他のリソースが掲載されている。

LDNのサイトには、どのディストリビューションがLSBに認定され、どのバージョンのLSBに準拠しているかを示すステータス・ページもある。

開発者がLDNに文書を提供することもできる。それには、LSBのDeveloper Networkサイトでアカウントを作成してdel.icio.usアカウントにリンクする方法と、LDNサイトのフォームを使用する方法がある。サイトには、ディレクトリに提供された注目記事や人気記事を伝えるRSSフィードもある。

このサイトはまだベータ版の段階で、コンテンツも豊富ではないが、状況は次第に変わっていくはずだとMurdock氏は語る。「初日にして、MSDNに匹敵するものになるでしょうか。それはありません。でも、しかるべき枠組みが用意されたことは確かです」。

NewsForge.com 原文

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